1問目ヒント:余弦定理を使う
求めたい値はBDで、他の2辺の長さと対角のcos値が分かっているので
余弦定理が成立し、そこから算出することができます。
1問目正答と解説
普通に余弦定理を使いましたが、皆さんこういう公式ってうろ覚えに
なってて間違って使用してしまったことありませんか?
私は受験生時代に意味を理解せず公式を丸暗記するのが非常に不得手だったので、
公式を導き出す方法だけ覚えて試験の時に公式を計算してました。
余弦定理の場合は導き出すのに時間が掛かるので、覚えてる公式が
合ってるかどうか下記のようにチェックしてました。
例えば直角三角形ABCを想定します。余弦定理でACを算出する場合、
AC²=AB²+BC²ー2*AB*BC*cos∠ABC
となります。∠ABCは90°なので、cos∠ABC=0 つまり
AC²=AB²+BC²
これってピタゴラスの定理(三角定理)ですよね。つまり覚えてた公式が
合っていることが確認できました。このように記憶に自信がない場合は
簡単な事例を想定してみて確認してみてください。
2問目以降ヒント:正弦定理を使う
次にsin∠ADCを求めます。まずBCとCD、2辺の長さが分かって
いるので三角形BCDについて正弦定理を使えば良さそうだな、
と気付くのがポイント。正弦定理は下のように2辺の長さとその
対角のsin値、外接円の半径の関係性を示す公式です。
うーん分かりにくいですね。これも例として∠Aが直角の場合を考えると
分かり易いです。
BCと2R(外接円の直径)の関係に着目すると、
BC=2R*sin∠A
sin90°=1なので、BC=2R。これは直感的に理解できますね。
公式の記憶が怪しい時はこうやって使う前にてチェックしてください。
2問目以降ヒント:三角関数をどう具体的に理解するか
三角関数って具体的にイメージするの難しいですよね。
なぜsinθ=sin(πーθ)なのか、って聞かれたら答えられますか?
そこで一旦三角関数を図でイメージしてみましょう。
まず半径1の円を描きます。で、原点と円周上の点を結んだ線をℓ、
x軸との角度θとします。このとき、
つまり原点を中心とする半径rの円周上の点Aの座標は(rcosθ、rsinθ)と
表すことができ、ℓ の二次関数はy=(tanθ)x となります。
すると以下のように色々と応用が可能です。
この部分まで、公式を覚えるのではなく何故そうなるのかを理解できていれば、
三角関数はどんな問題が出ても対応できると思います。
2問目正答と解説
sin∠ADCを求めようにも△ACDで正弦定理を適用することは難しそうです。
次に△BCDを見ると、2辺の長さとcos∠BCDが分かっているのでこちらで
検討していきます。また、∠ADC+∠BDC=πなので、
sin∠BDC=sin(πー∠ADC)=sin∠ADC
に気付けるかも大きなポイントです。(前述の三角関数の説明参照)
つまりsin∠BDCを求めればOKということです。
そこでまずcos∠BCDからsin∠BCDを算出しましょう。
ここで正弦定理を使います。
次に△ACDについて正弦定理を適用します。
ここでADの長さをaとするとADは√2aとなります。これを△ACDに
おいて余弦定理を適用し、
答えが2通り出ましたが、これは△ACDに関する余弦定理を満たす条件を
求めているので、更に△ABCとして適合するか検討する必要があります。
a=1,2それぞれの場合を図示すると下のようになります。
ここでのポイントとしては、a=2のときAC=BCになり、そうすると
∠ACD=∠BCDの条件から∠ADCは直角(sin∠ADC=1)になる必要があります。
しかしこれは前問の回答と矛盾しているのでa=1、つまりAD=1となります。
最後に△ABCで正弦定理を適用したいですが、これまでの経緯でsin値を算出して
いないため、まず余弦定理でcos値を求めます。
以上の解説でお分かりのように、センター試験の問題は公式をそのまま適用
するだけでは正解にたどり着けません。この傾向は新テストに移行すると
さらに強まると思いますので、「何故そのように考えるのか?」の部分を
注意して自分なりの理解を深めるようにしてください。
基礎から見直したい項目がある時はスタディサプリがオススメです。